春先、多くの人を困らせている「花粉症」。
前ぶれもなく鼻炎や頭痛などの症状に悩まされ、いつの間にか花粉症になっていた…そんな方も多いのでは。
わたしも数年前に花粉症だと判明したのだが、自分自身が花粉症だと認識するのに時間が掛かった。
花粉症だと気づく前の、あれやこれやと自分自身を翻弄した…いや、迷走した話です。
最初は人ごとだった「花粉症」
今では当たり前には認知されている花粉症。
ドラッグストアには薬はもちろん予防対策グッズ、体質を改善するための数多くの食品が並んでいる。
しかし、わたしが社会人になりたての頃は「花粉症」はこれほど広く認知されていなかった。
年々、花粉症だと名乗り出る人がどんどん増えてき、
しまいには「俺、花粉症だから、この季節辛いんだよね~」と、
まるでトレンドに乗ったかのようにプチ不幸自慢してくるやつもいた。
まるで「花粉症」じゃないと、いっぱしの現代人ではないかのようにね…
よく分からないが「花粉症」は現代人にとってのステータスのようなものになってしまった。
当時「花粉症」でない自分は
「オレって時代に乗り遅れているのか?」
などと訳のわからない思考になっていた。
とにかく、わたしは花粉症などとは全く縁のない人間だと決めつけていた。
けれども毎年同じ時期に風邪のような症状が現れ、カラダの不調を感じることはよくあった。
自分の場合は4月の終わりからGW過ぎの5月下旬まで、鼻詰まりの症状がひどい息苦しい日々を過ごす。
今だと真っ先に「花粉症」のアレルギー症状だと疑うが、気がつかなかった原因がいくつかある。
- 自分自身は「花粉症」にならないと思っていた根拠のない決めつけ
- 元々身体が頑丈ではなく季節の変わり目は風邪をひきがちだった
- 発症時期が周りの人とは違う
自分が花粉症などなるわけがない!…と勝手に思い込んでいて、症状も風邪に似ているので、体の弱っちいわたしは軽く風邪をひいたのだと信じて疑わなかった。
病気なのでは…
スギ花粉・ヒノキ花粉の場合、症状が出る時期は2月〜3月ぐらいが多い。
わたしの場合は鼻づまりの症状が出るのがGW前後。
鼻づまりは1ヶ月ほどで治るが、その次はまた別の症状がでてくる。
それは唾を飲み込むときノドに異物があるような、そんな違和感が…。
鼻づまりもノドの違和感も時期的にズレていたし、リンクしているとは思わなかった。
とにかく「気にしい(神経質)」のわたしは、大きな病気の前兆かも?と不安に襲われ、内科・耳鼻咽喉科のどちらともに診察してもらった。
しかし、それらしい病気の疑いはなく、異常なし。
適当な薬を処方してもらい様子をみる、というような診察結果だった。
喉の違和感に関しては「気にし過ぎ?」と思ったこともあったが、いやそうではない確かに違和感はある。
そして、その症状はいつの間にやら消えてしまうのだ。(薬は飲んでいない)
そんな症状は決まって毎年GW前後に発症。
楽しいはずの大型連休も体調がイマイチなので楽しさも半減。
鼻づまりもノドの違和感も毎年知らぬ間に治っていたので、どちらの症状もやはり風邪からくるものだと思っていた。
勤務先で症状がひどかった
あるとき気づいた。
休日に自宅で過ごしている時は、さほどではないがウィークデーに会社で仕事をしている時の方が症状がひどい。
何が違うのか?
自宅と勤め先の建物を比べてみた。
自宅は築15年、新築とは言えないが古めかしい建物ではない。
それに比べ私の勤め先の建物は築50年ぐらいの増築を重ねた建物。
風が強い日は壁掛けのカレンダーが、フワ~っと揺れるくらいスキマ風が入ってくる。
一般住宅とは違い断熱材も入ってない。
人の出入りもそれなりにある。
自宅より外敵要因が侵入する可能性がかなり高い。
とにかく総合的に考えてみると、風邪ではなくわたしは何かのアレルギーなのでは?
ハウスダスト?
それとも別のアレルギー?
そんなことを思い、自分自身のカラダを疑いはじめていた。
人間は体の不調の原因が分からないと精神的にも病んでくる。
唾を飲み込むのとき、喉にでき物があるような違和感は、悪性のものだと勝手に決めつけ一人焦っていた。
いつも行く耳鼻咽喉科ではなく、わざわざ隣町の耳鼻咽喉科へ行き診察してもらったが、そこでも喉に異物などない、異常なしの診察結果。
毎日、とにかく憂鬱だった。
症状にも過剰に反応するようになっていて、自分自身にしつこいくらい何か大きな病気の前兆と負の暗示をかけていた。
ズブズブとネガティブな泥沼にはまり身動きができない、そんな状態になっていた。
全てが判明した
わたしはそういった症状が起きる数年前に体を壊し、入院ていた過去があり、それからは3ヶ月に一度大きな病院に通い経過観察が続いていた。
その定期診断時に春先に起こる症状をドクターに打ち明け(大げさな…)、それならばと採血によるアレルギー検査を行ってもらった。
たまに医療バラエティー番組で見かけるアレです。
私が検査したのは36項目。(費用は5,000円くらい掛かったと思います)
次の検診の際に検査結果が出ていた。
見てみると36項目中で反応があった項目はいくつかあるが気にするような数値ではない。
ん?…まてまて、その中で飛び抜けた数値があるじゃないか!
その名は「シラカンバ」
カバノキ科の樹木「白樺」の花粉だそうだ。
早速調べてみると、症状が発症する時期と飛散量のピーク時が合致した!!
全ての疑問が解け、わたしは晴れて「花粉症」だということがわかった。
スギ・ヒノキではなく「シラカンバ」によるアレルギー。
子どもの頃から果物の梨やキウイを食べると口の中がしびれるような症状が出ていたが、それもこのアレルギーだと判明し、幼少の頃から「シラカンバアレルギー」持ちだった。
わたしのような心配性な人間は、原因不明なことが起こるとネガティブ思考になり、それが雪だるま式に増え、ストレスが増殖し軽いうつ状態にまでなる。
しかし、原因がハッキリすると一気にモヤモヤが晴れ、精神的ストレスもスッキリとなくなってしまうのだ。
わたしは花粉症だと判明したが、逆に花粉症だと思っているが、実は違うアレルギーだった!なんてこともあるのではないか。
もし何か気になる症状が出ている場合、一度アレルギー検査をしてみてもいいのかもしれない。
思いもよらないアレルギーを持っていて、それが体調不良の原因ということもある。
自分の体を知ることが、快適な日常を過ごすための指針のひとつになるのは確かなようだ。